中つ国への旅
トールキンの『ホビット』『指輪物語』および
舞台となる中つ国の言葉(エルフ語)の話題です。
http://www.youtube.com/watch?v=PRjnH74VZn0
こちらの、素晴らしいWETA謹製・ニュージーランド航空の機内安全ビデオに出てくるテングワール(エルフ文字)で書かれたエルフ語が何と書かれているのか気になって、伊藤盡先生の『エルフ語を読む』(青春出版社、2004年)を片手に読んでみました。
ダウンロードしたFreeのテングワールフォント(世の中には素晴らしい才能が…!)では大文字が表現できなかったので動画とはちょっと見た目が違いますが、課題のエルフ語文章はこちらです。

左から順に、3つの単語が並んでいます。
1文字ずつ読みを書き出すと…
ランベ/ヤンタ/アンド(「〜」?何かついてる;)
オーレ/ヴィルヤ
ヤンタ/ヌーメン/アンナ/ローメン
↑個性的ですが、文字の名前です。
●クウェンヤ語?シンダール語?
最初の問題は、これがエルフ語のうち、
クウェンヤ語(文語)なのかシンダール語なのかということ。
日本語でも「てふ」を「チョウ」と読むように、同じ文字でも読み方が違います。
最初の三文字は最後の「〜」が良く分からなかったのでパス;
次のオーレ/ヴィルヤから考えます。
参考書のテングワール→ローマ字表記の音価表を見ながら…
クウェンヤ語なら「rv」
シンダール語なら「nw」
──なのですが、
実はこの「c」っぽい文字で書かれたヴィルヤは、
ベレリアンド様式という母音の書き方で使われる綴り字で、音価は「a」です。
ということは
クウェンヤ語なら「ra」
シンダール語なら「na」
ra は分かりませんが(;;)、na ならシンダール語で前置詞の「〜へ」です。
どうやらシンダール語っぽい…と考えて次に行ってみます。
●「〜」?
シンダール語と考えてローマ字表記の音価表を拾っていくと
「Led na Ennor」
Ennorはシンダール語で「中つ国」。シンダール語で正解のようです。
でもLedって何だろう…アンドの上についてる「〜」はどう読むのかしらと
参考書の例文を追ってみました。
『指輪物語』のモリアの門に記されていたエルフ語が例文として掲載されていました。
課題文と同じ、シンダール語をベレリアンド様式で記述したものらしく、
それを見ると「〜」は乗せられた子音の前に「n」音があることを示すようです。
ということは、
Led→Lendになりそうです。
●「Lend」?
参考書および『指輪物語 追補編』『シルマリルの物語』の語彙集にはなかったので
webサイトのシンダール語辞書を検索。
テングワールフォントといい、なんと有り難い…!(>_<。)
http://www.jrrvf.com/hisweloke/sindar/online/english.html
どうやらlendはjourney、旅、という意味のようです。
●「Lend na Ennor」=「中つ国への旅」
ようやく判明しました!すっきりしました!
最初の段階で「クウェンヤ語だったらそもそもベレリアンド様式で書かないのでは?」
と疑問を持たれたエルフ語達人の皆さまは、何か間違いがありましたらご指摘下さい(^人^;)
「そもそもテングワールとかヴィルヤって??」
とご興味を持たれた皆さまは、是非参考書をv
伊藤盡著『指輪物語 エルフ語を読む』
J.R.R.トールキン著、瀬田貞二・田中明子訳『指輪物語 追補編』
J.R.R.トールキン著、田中明子訳『シルマリルの物語』
舞台となる中つ国の言葉(エルフ語)の話題です。
http://www.youtube.com/watch?v=PRjnH74VZn0
こちらの、素晴らしいWETA謹製・ニュージーランド航空の機内安全ビデオに出てくるテングワール(エルフ文字)で書かれたエルフ語が何と書かれているのか気になって、伊藤盡先生の『エルフ語を読む』(青春出版社、2004年)を片手に読んでみました。
ダウンロードしたFreeのテングワールフォント(世の中には素晴らしい才能が…!)では大文字が表現できなかったので動画とはちょっと見た目が違いますが、課題のエルフ語文章はこちらです。

左から順に、3つの単語が並んでいます。
1文字ずつ読みを書き出すと…
ランベ/ヤンタ/アンド(「〜」?何かついてる;)
オーレ/ヴィルヤ
ヤンタ/ヌーメン/アンナ/ローメン
↑個性的ですが、文字の名前です。
●クウェンヤ語?シンダール語?
最初の問題は、これがエルフ語のうち、
クウェンヤ語(文語)なのかシンダール語なのかということ。
日本語でも「てふ」を「チョウ」と読むように、同じ文字でも読み方が違います。
最初の三文字は最後の「〜」が良く分からなかったのでパス;
次のオーレ/ヴィルヤから考えます。
参考書のテングワール→ローマ字表記の音価表を見ながら…
クウェンヤ語なら「rv」
シンダール語なら「nw」
──なのですが、
実はこの「c」っぽい文字で書かれたヴィルヤは、
ベレリアンド様式という母音の書き方で使われる綴り字で、音価は「a」です。
ということは
クウェンヤ語なら「ra」
シンダール語なら「na」
ra は分かりませんが(;;)、na ならシンダール語で前置詞の「〜へ」です。
どうやらシンダール語っぽい…と考えて次に行ってみます。
●「〜」?
シンダール語と考えてローマ字表記の音価表を拾っていくと
「Led na Ennor」
Ennorはシンダール語で「中つ国」。シンダール語で正解のようです。
でもLedって何だろう…アンドの上についてる「〜」はどう読むのかしらと
参考書の例文を追ってみました。
『指輪物語』のモリアの門に記されていたエルフ語が例文として掲載されていました。
課題文と同じ、シンダール語をベレリアンド様式で記述したものらしく、
それを見ると「〜」は乗せられた子音の前に「n」音があることを示すようです。
ということは、
Led→Lendになりそうです。
●「Lend」?
参考書および『指輪物語 追補編』『シルマリルの物語』の語彙集にはなかったので
webサイトのシンダール語辞書を検索。
テングワールフォントといい、なんと有り難い…!(>_<。)
http://www.jrrvf.com/hisweloke/sindar/online/english.html
どうやらlendはjourney、旅、という意味のようです。
●「Lend na Ennor」=「中つ国への旅」
ようやく判明しました!すっきりしました!
最初の段階で「クウェンヤ語だったらそもそもベレリアンド様式で書かないのでは?」
と疑問を持たれたエルフ語達人の皆さまは、何か間違いがありましたらご指摘下さい(^人^;)
「そもそもテングワールとかヴィルヤって??」
とご興味を持たれた皆さまは、是非参考書をv
伊藤盡著『指輪物語 エルフ語を読む』
J.R.R.トールキン著、瀬田貞二・田中明子訳『指輪物語 追補編』
J.R.R.トールキン著、田中明子訳『シルマリルの物語』